一昨日は産業医のための自殺予防講座を受講しました。
年間3万人を超える「自殺」を見直しました。
基本的なことを、知っておきたいと思います。
自殺者は1997~1998年に増加しました。
証券会社や銀行の倒産が相次いだ年です。
年間2万人だったのが3万人に一気に1万人増加。
ちなみにその増えた1万人はほとんどが男性でした。
働き盛りか定年前後の男性が、自殺したのです。
さて3万人の自殺者とはあくまで死んだ人の数です。
その陰にはその5~10倍の死ななかった人がいます。
言葉は悪いですが、自殺未遂、死に損なったひとです。
死ねずに植物状態になったひとをみたこともあります。
労災自殺の特徴は、
3月に多いこと、と
月曜日に多いこと、だそうです。
今日は月曜日ですから、注意日ですね。
ストレスによる『抑うつ状態』に注目しましょう。
ただしストレスの感じ方は人によってさまざまです。
「うつ病」は、治療が必要な「病気」です。
しかし、精神科を受診するひとはごく僅か。
たいてい胃が痛いなどで内科等を受診します。
「眠れない」という症状があれば要注意です。
うつの始まりかもしれません。
かかりつけ医や産業医に相談することが大切です。
働く人の健康を守ることを産業保健と言います。
最近の産業保健の仕事の半分はメンタルヘルスです。
うつ病の早期発見が、自殺予防に直結するのです。
うつのサインを職場の同僚や上司が見逃さないことが大切。
最近は軽いうつを内科で診ることもかなり増えてきました。
うつのひとが増えて、精神科だけでは対応できないのです。
当院でも、うつや抑うつ状態の方を沢山診察しています。
いろんなお薬があり、軽い人は内科レベルで改善します。
当然、症状が重いひとは精神科を紹介します。
改善して、また内科に戻ってくるひとも沢山おられます。
どうか早めに医療機関を受診してください。
受診さえすれば、なんとかなります。
欧州での会議で外人に言われた言葉が耳に焼き付いています。
「日本は自殺が許されている国なんですね!」
ショックだったこの言葉を噛みしめながら講演を聞きました。