《0813》 自殺を予防する [未分類]

一昨日は産業医のための自殺予防講座を受講しました。

年間3万人を超える「自殺」を見直しました。

基本的なことを、知っておきたいと思います。

 

自殺者は1997~1998年に増加しました。

証券会社や銀行の倒産が相次いだ年です。

年間2万人だったのが3万人に一気に1万人増加。

 

ちなみにその増えた1万人はほとんどが男性でした。

働き盛りか定年前後の男性が、自殺したのです。

さて3万人の自殺者とはあくまで死んだ人の数です。

 

その陰にはその5~10倍の死ななかった人がいます。

言葉は悪いですが、自殺未遂、死に損なったひとです。

死ねずに植物状態になったひとをみたこともあります。

 

労災自殺の特徴は、

3月に多いこと、と

月曜日に多いこと、だそうです。

 

今日は月曜日ですから、注意日ですね。

ストレスによる『抑うつ状態』に注目しましょう。

ただしストレスの感じ方は人によってさまざまです。

 

「うつ病」は、治療が必要な「病気」です。

しかし、精神科を受診するひとはごく僅か。

たいてい胃が痛いなどで内科等を受診します。

 

「眠れない」という症状があれば要注意です。

うつの始まりかもしれません。

かかりつけ医や産業医に相談することが大切です。

 

働く人の健康を守ることを産業保健と言います。

最近の産業保健の仕事の半分はメンタルヘルスです。

うつ病の早期発見が、自殺予防に直結するのです。

 

うつのサインを職場の同僚や上司が見逃さないことが大切。

最近は軽いうつを内科で診ることもかなり増えてきました。

うつのひとが増えて、精神科だけでは対応できないのです。

 

当院でも、うつや抑うつ状態の方を沢山診察しています。

いろんなお薬があり、軽い人は内科レベルで改善します。

当然、症状が重いひとは精神科を紹介します。

 

改善して、また内科に戻ってくるひとも沢山おられます。

どうか早めに医療機関を受診してください。

受診さえすれば、なんとかなります。

 

欧州での会議で外人に言われた言葉が耳に焼き付いています。

「日本は自殺が許されている国なんですね!」

ショックだったこの言葉を噛みしめながら講演を聞きました。