毎日が往診、平穏死で、ついにこの記事を
書くのがお昼を回ってしまいました。
弁当をかきこみながら書いています。
一昨日は、在宅での栄養管理の勉強会の司会でした。
「尼崎在宅NST研究会」は私が立ち上げた勉強会。
NSTとは、栄養サポートチームのことです。
名古屋のふきあげ内科消化器科クリニックの
蟹江治郎先生の講演を拝聴し感銘を受けました。
胃ろう栄養剤の固形化に関する研究成果です。
蟹江先生は、人間はみんな固形物を食べるのに、
胃ろうの方は、液体だけなんだろう?と素朴な
疑問を持たれ、以来、固形化の研究を続けてきました。
その結果、寒天で栄養剤を固形化する方法がいろんな面で
優れているという結論に達しました。
嘔吐や下痢が少なくなり、血糖は安定します。
液体を垂らす方法だと、1食に1~2時間かかります。
しかし固形物の注入なら、1食たった5分で済みます。
牛丼を5分で食べますから、プリンを5分でも問題なし。
現在、胃ろう栄養のかたが60万人います。
ということは、それに関わる家族や介護者を含めると
同じ数かそれ以上100~200万人はいるでしょう。
もはや日本社会は胃ろうを知らずして語れなくなりました。
胃ろうのおかげでハッピーに過ごしている方も沢山います。
しかし、一方、アンハッピイーな胃ろうもいます。
それを書いた本「平穏死・10の条件」が今日出来た!
と、さっき出版社から電話がありました。
忙しい中、ホッとする瞬間です。
この本は、決して胃ろうバッシング本ではありません。
胃ろうってなんだ?という方もまだ沢山おられるでしょう。
蟹江先生のHPを是非ご覧ください。http://www.fukiage-clinic.com/peg.htm
非常に分かり易い。
イラストは、蟹江先生自身が描かれたそうです。
固形化の動画もあり非常に公共性の高いHPです。
今日はこれを、是非、みなさまにご紹介したい。
保険適応の栄養剤を自分で寒天と混ぜればコストはほぼゼロ。
しかし予め寒天を混ぜた栄養剤は、食品扱いですので、
1袋300円ほどの負担になります。
胃ろうは単なる道具。
どう使うかは、医者と患者と家族が考えて行くものです。
難しい議論の前に是非、蟹江先生のイラストをご覧ください。