《0814》 胃ろう栄養剤の固形化 [未分類]

毎日が往診、平穏死で、ついにこの記事を

書くのがお昼を回ってしまいました。

弁当をかきこみながら書いています。

 

一昨日は、在宅での栄養管理の勉強会の司会でした。

「尼崎在宅NST研究会」は私が立ち上げた勉強会。

NSTとは、栄養サポートチームのことです。

 

名古屋のふきあげ内科消化器科クリニックの

蟹江治郎先生の講演を拝聴し感銘を受けました。

胃ろう栄養剤の固形化に関する研究成果です。

 

蟹江先生は、人間はみんな固形物を食べるのに、

胃ろうの方は、液体だけなんだろう?と素朴な

疑問を持たれ、以来、固形化の研究を続けてきました。

 

その結果、寒天で栄養剤を固形化する方法がいろんな面で

優れているという結論に達しました。

嘔吐や下痢が少なくなり、血糖は安定します。

 

液体を垂らす方法だと、1食に1~2時間かかります。

しかし固形物の注入なら、1食たった5分で済みます。

牛丼を5分で食べますから、プリンを5分でも問題なし。

 

現在、胃ろう栄養のかたが60万人います。

ということは、それに関わる家族や介護者を含めると

同じ数かそれ以上100~200万人はいるでしょう。

 

もはや日本社会は胃ろうを知らずして語れなくなりました。

胃ろうのおかげでハッピーに過ごしている方も沢山います。

しかし、一方、アンハッピイーな胃ろうもいます。

 

それを書いた本「平穏死・10の条件」が今日出来た!

と、さっき出版社から電話がありました。

忙しい中、ホッとする瞬間です。

 

この本は、決して胃ろうバッシング本ではありません。

 

胃ろうってなんだ?という方もまだ沢山おられるでしょう。

蟹江先生のHPを是非ご覧ください。http://www.fukiage-clinic.com/peg.htm

非常に分かり易い。

 

イラストは、蟹江先生自身が描かれたそうです。

固形化の動画もあり非常に公共性の高いHPです。

今日はこれを、是非、みなさまにご紹介したい。

 

保険適応の栄養剤を自分で寒天と混ぜればコストはほぼゼロ。

しかし予め寒天を混ぜた栄養剤は、食品扱いですので、

1袋300円ほどの負担になります。

 

胃ろうは単なる道具。

どう使うかは、医者と患者と家族が考えて行くものです。

難しい議論の前に是非、蟹江先生のイラストをご覧ください。