《0815》 毎日が平穏死 [未分類]

最近、ほぼ毎日、在宅看取りが続いています。

深夜、早朝もバンバン電話がかかってきます。

24時間365日、息を抜けません。

 

当院は複数医師制なので、電話は私が受けて

他の医師に往診や看取りを依頼することも多い。

一人でやっていたら死んでしまいます。過労死。

 

独居の在宅看取りも、時々あります。

ほとんどが末期がんです。

病院を抜け出して、在宅での最期を希望された人。

 

この場合の電話は、朝8時ピッタリに入ります。

ヘルパーさんが、入る時間なのです。

この時間に電話が鳴ると、ああ亡くなったんだと。

 

もちろん充分な緩和医療をしています。

本人といろんなお別れの儀式もやることも。

その結果の、旅立ちです。

 

ケア会議でヘルパーさんに予め説明しています。

そうでないと慌てて救急車を呼ばれます。

最近はそのようなことは一切なく、平静です。

 

それにしても、在宅依頼が急増しています。

毎日1件は、依頼がある。

そんな感じです。

 

末期がんの平均在宅期間は1.5ケ月ですから

本当にあっと言う間に終わってしまいます。

がん以外の病気は長く関わることができます。

 

どこに行くにも、死亡診断書を持ち合わせています。

カバンの中、車の中、家の引き出しにも入れてます。

他のドクターも同じです。

 

在宅看取りは、すべて自然死です。

延命治療をしないので、平穏です。

病院から研修などで来られる医師は、みんなビックリします。

 

「長尾先生、本当に平穏死ってあるんですね」

と、真顔で聞いてきます。

それほど病院には平穏死は、無いのです。

 

昨日は、産業医もしていました。

 

「来週、本が出るのでよろしくお願いします」

「何っていうタイトル?」

「平穏死・10の条件っていいます」

「ヘイオンシ???どんな字を書くの?」

 

衛生委員会のメンバー全員、平穏死という言葉を

知りませんでした。

漢字も全く想像できない、と言われました。

 

そんな時代だから、そんな本が出ることも意味があるのかな

なんてちょっと期待しました。

まあ、とにかく、毎日が「平穏死」なのです。