《0082》 食べられるのに、食べさせない!? [未分類]

胃ろうを着けたまま病院から、「エイヤ」と自宅に戻られた患者さんが半年経過しました。
病院では、半年間、「完全・胃ろう生活」でした。

家に帰って食べさせてみると、結構食べれて、現在は、「完全・口から生活」です。
1年前の入院時47㎏だった体重が、胃ろう栄養中の退院時は31㎏、現在は36㎏です。
完全胃ろう生活の時より、完全口から生活の今の方が、体重が5㎏も増えています。
これはすごい事実だと思います。

病院の主治医からは、当初は「誤嚥性肺炎を起こすから食べていけない」と
説明され、いつのまにやら、「一生食べられない」との説明に変わっていました。

現在、何でもパクパク食べるこの患者さんを病院の主治医が見たら、何と言うのか?
元気に生きていることに、まずビックリされるでしょう。

家に帰るだけでこんなに元気になる患者さんがいることを、病院医療者は信じません。
講演などでいくら話しても、医療者に限って信じてもらえません(辛)。

実は、こんなことは時々経験します。
食べられるのに、食べさせない!?そんな気になる時もあります。
勇気を持って食べさせてみると、普通に食べられるのです!

現在の病院は、長期入院はできません。
特にDPC病院は、2週間程度しか置いてくれません。
次の施設に受け渡すためには、「胃ろう手形」が必要だと、勝手に勘違いしています。
「食べると誤嚥性肺炎を起こす」という都市伝説ならぬ、変な病院伝説が研修医の間で
広がっているようで、困ったものです。

私は、「食べなくても誤嚥性肺炎は起きますよ」と説明しています。
「人間は誤嚥性肺炎を起こしながら生きていくもの」
「さっきあなたも、むせたでしょう?でも食べますよね」
「食べることは、生きることそのもの」とも。
こんなことを言うから、病院の先生から煙たがられるのかもしれません。