《0821》 シネ・メデイケーション [未分類]

この2日間、Generalist Japan 2012というイベントに参加。

総合医、総合診療、家庭医などを考える第一回目の会合。

私の知人が代表を務めるNPO法人が主催する設立集会。

 

私のクリニックの入り口にある看板の裏側には、

「病だけではなく人を診る医療」、その横には、

「Patientから Personへ」、とも書いてあります。

 

この想いは実は、30年以上変わっていません。

医学部1年生の時から、いや医学部を志した時からそう。

だから正確には、35年間、同じ想いで生きてきました。

 

しかし今さら「第1回目・・・」と題してこんなイベントを

やらなければならないという事自体どれだけ出来ていないか。

ちょっと皮肉な言い方をすればそんな気持ちで顔を出しました。

 

全国から若いお医者さんが、50~60人参加されていました。

15日は、前夜祭として懇親会とトークショーが行われました。

この世界で有名な大物医師たちが、壇上に並んでおられました。

 

懇親会の途中から「シネ・メデイケーション」が始まりました。

映画を題材にして、医療を語りあう試みのようです。

3本の映画の名場面を、各10分ほど見ました。

 

1本目は、鶴瓶さんが主演した映画「デイアドクター」。

無医村に赴任した鶴瓶医師が迷診断で人の命を救うシーン。

実は、鶴瓶医師は無免許、つまりニセ医者だったのです。

 

2本目は、黒沢明監督の「赤ひげ」のある場面。

三船敏郎扮する赤ひげ医師が加山雄三扮する研修医に語るシーン。

100年前も現代も医療の本質が変わらないことが描かれている。

 

3本目は「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」

この映画のあるシーンが10分間だけ上映されました。

今日は、実はこれを言いたくてここまで書いているのです。

 

でも詳しいことは書かない方がいいでしょう。

私は泣きました。

若い医師も泣いていました。

 

AKBカフェの前に来て、まさかクレヨンしんちゃんで泣くとは・・・

テーマは、家族愛と人生の儚さと臭い、と受け取りました。

クサイ臭いの中に、生活があり人間がある。深い映画です。

 

この映画で泣ける医者が、総合医じゃないかなと思いました。

偉い先生は、「世の中、こんな温かい家族だけだと思ったら

大間違いだぞ」なんて若いお医者さんに説いておられました。

 

シネ・メデイケーション

 

初めて聞いた言葉なので間違っているかもしれません。

しかし考えてみれば医療を題材にした映画が沢山あります。

その中には実は沢山の重要なメッセージが込めらています。

 

「おくりびと」しかり。

「白い虚塔」しかり・・・

観る医者も、観る患者も同様に考え、癒され、教えられる。

 

たまには難しい議論は置いといて映画から学んでみようかと。

ほろ酔い気分もありそんな気持ちになった秋葉原の夜でした。

そして翌日は、第一回Generalist Japan 2012の勉強会でした。

(つづく)