《0834》 今年の相馬野馬追いに想う [未分類]

7月28~30日の3日間、福島県南相馬市と相馬市で

相馬野馬追いが開催されています。

なぜか今年もお招きいただき、昨日、見学してきました。

 

アピタルに「内部被ばく通信」を書かれている坪倉先生

ともお会いして、一緒に見学しました。

その他何人かの懐かしいお顔と1年ぶりに対面しました。

 

昨年は震災直後のため、開催が危ぶまれました。

やや小規模ながらも、相馬市で開催されました。

相馬市の中村神社での出陣式を、見学しました。

 

今年は例年通り、南相馬市の祭場で開催されました。

競馬場をイメージして頂ければいいかもしれません。

ただし400頭以上の騎馬が行列やら競走をします。

 

1100年も続いている馬を使った武闘訓練がこの行事。

いろんな種類の旗を立てたまま、鎧と兜をつけた武者が

街中を行進します。

 

まさに戦国時代を思わせる大迫力です。

武者たちは本気で戦国時代だと思っているかのようです。

それくらい皆さんが真剣に取り組む大がかりな行事です。

 

今年の総大将は、立谷秀清・相馬市長でした。

医師です。

立谷さんは、素晴らしい挨拶をされました。

 

先月、イタリアのフィレンツエで見たお祭りと似ていました。

鎧が、日本式かイタリア式かの違い程度です。

旗の雰囲気が、実に似ていました。

 

どちらも、本気の武闘訓練。

自分の故郷を思う気持ちは、古今東西を問いません。

人間の生活の基本であると実感しました。

 

騎馬にまたがる一人一人のお顔を拝見しましたが、

みなさん、震災への想いが滲み出ているように感じました。

「負けないぞ、頑張ろう」という気持ちが伝わってきました。

 

観客席はほぼ満席でした。

市内も車と人で結構な混雑です。

おそらく、震災以降、最大のイベントだったのでしょう。

 

さて、南相馬市の市街地の様子です。

相馬市から南相馬市の中心部にかけては予想

したよりかなり落ち着いた雰囲気でした。

 

子供たちも沢山いて、元気に遊んでいました。

生活感もタップリあり、ちょっと安心しました。

しかし良く見ると仮設住宅が散在していました。

 

日常のようで、どこか日常では無い。

この野馬追いで、必死の日常を取り戻そうとしている

ように、私は感じました。

 

南相馬市の南にある小高地区まで車を走らせました。

途中から景色が一変しました。

そう、ここは居住が禁止されている地域なのです。

 

店舗は当然、全部閉まっています。

というか全部廃業なのでしょう。

人間が誰もいないので当然です。

 

津波の傷跡がそのまま残っています。

街が消えた、という表現がぴったり。

見たことのない不思議な光景でした。

 

浪江町の入り口まで行きました。

そこから先は、入れません。

厳重な警備がなされています。

 

立ち入り禁止区域です。

 

その境界線からわずか数キロで行われている

野馬追いという祭りは、奇跡かもしれません。

歴史が祭りを護ってくれた。

 

そんなふうに感じました。(続く)