《0840》 成年後見人制度と在宅医療 [未分類]

昨日は、司法書士さんを対象とした成年後見人の研修会

の講師を務めました。

在宅医療の現状と課題についてお話ししました。

 

そもそも司法書士さんの役割を知らずに引き受けました。

不動産の売買の時などに来て頂くのが司法書士さんです。

公証役場におられるかと思いきや、あれは公証人でした。

 

認知症や精神障害の方の、診断書を頼まれることがあります。

家庭裁判所から、分厚い書類が届きます。

数ある書類の中でも、最も時間がかかる書類です。

 

自己決定能力の有無を記載する項目が沢山あります。

どう評価するのか、なぜそう判断するのかなど、

根掘り葉掘り聞かれる書類です。

 

この書類で、判断能力の有無を判定されると、あとは

成年後見人の選定に入ります。

家族や司法書士さんが後見人に決まります。

 

重症の認知症の在宅患者さんには後見人がついています。

時々いろんな相談を持ちかけられたり、持ちかけられたりします。

食べられなくなったとき胃ろうの相談をすることもあります。

 

本人の意思確認ができずに困ることがよくあります。

元気な時に「リビングウイル」を残していてくれたらなあ、

そう思う時が時々あります。

 

リビングウイルは書面で残さないと意味がありません。

日本尊厳死協会に入会するのが、最も簡単な方法です。

年会費2000円で、リビングウイルを表明できます。

 

米国は約半数の人がリビングウイルを表明しています。

しかし日本では、わずか0.1%です。

もう少しリビングウイルを知って欲しいと思います。

 

このブログで何度も書かせて頂いたように、医師法20条

について時間をかけて、司法書士さんに解説しました。

みなさん「ほんまかいな?」という顔で聞いておられました。

 

ほんまです!

 

質問タイムには、このような質問を頂きました。

「終末期の患者さんの主治医が1週間の夏休みを取るけど

その間に在宅患者が亡くなれば警察沙汰になるのでしょうか?」

 

代理の医師に頼めば大丈夫です。

その医師の最初の往診がたとえ看取り往診であっても

普通に死亡診断書を書けます。警察は不要です。

 

認知症で在宅療養する方が増えています。

医師法20条の周知や在宅医療制度の理解が、司法書士さんや

国民全体に必要であると、痛感しました。