《0846》 高齢者の骨折に関する相談急増 [未分類]

暑い夏も、高齢者の転倒があとをたちません。

毎日、どこかで誰かが転倒し、骨折しています。

高齢者の転倒・骨折は、慎重な対応が求められます。

 

昨日も98歳の大腿骨頚部骨折の相談を受けました。

認知症でグループホームに入所中に転倒。

救急車で入院させられたそうです。

 

それまではなんとか手押し車で歩いていたそうです。

さて、この高齢者の手術をすべきかどうかという質問。

大変な難問です。

 

施設側からは、もし手術をしないなら出て行ってもらうと

言われ、子供さんたちは困っておられました。

グループホームは元気な認知症の施設なのです。

 

先日も、97歳の手押し車歩行の認知症の方が転倒しました。

その方は、レントゲンを撮ると見事な恥骨骨折でした。

骨がパキンと折れて、完全に「段違い」になっています。

 

病院送りかどうか、御家族と私も大変悩みました。

連日、2回の話し合いを持ちました。

その結果、寝たきりになっても入院させない結論に至りました。

 

翌々日に訪問すると、その患者さんはトイレまで歩いていました。

1週間後に訪問すると、なんと、庭の水撒きをしていました。

骨折前とほぼ変わらない生活ができているのです!

 

もちろん最初の骨折の時点で整形外科医にも相談しています。

その先生は、その後、自宅まで訪問してくれています。

「信じられない」とは、その先生のお言葉。

 

ズレた恥骨の端っこが、腸管に穴を開けないか心配です。

しかしその高齢者は、「痛い」のひとことも言いません。

認知症のおかげで痛覚も鈍麻しているのでしょうか。

 

理屈はともかく、骨折して手術をしなくても、自然に

機能回復したひとを何人か経験しました。

その整形外科の先生はそんな人は初めて見たとおっしゃいました。

 

人間の回復力は凄いです。

オリンピックも凄いですが、

老人の回復力も凄い!

 

回復しないものはどんな一流病院でも回復しないが、

回復する人は、何もしなくても勝手に回復する。

日々の、在宅現場はいろんなことを教えてくれます。