《0847》 医者が理解できない「平穏死」 [未分類]

世間は、今日あたりから「お盆休み」ですね。

しかし病院には、正月はあってもお盆はありません。

当院は診療所ですが、年中無休ですのでお盆も平常です。

 

何故か?

理由は単純です。

在宅医療が、365日24時間年中無休を要求されているからです。

 

実際には、交代で休んでいきます。

ホテルや交通機関などと同じです。

慣れればいいだけです。

 

お盆の医療機関は閑散としています。

皆さんお墓参りや法事で忙しいのです。

それを逆利用してクリニック内の改装工事をしています。

 

さて、拙書「平穏死・10の条件」(ブックマン社)が世に出て

はや3週間が経過しました。

4刷り、4万部突破との知らせに、私が一番、驚いています。

 

にわかに、終末期相談が増えました。

メールや電話を活用して、全国の皆さんの悲鳴に応えています。

私自身も悲鳴をあげていますが。

 

さて、この本を読まれた方の感想文も沢山いただきました。

 

・字が大きくて分かり易い、が最多。

・速く読めていい、には少々複雑な気分。

・よくぞ書いてくれた、にはニンマリ。

 

全国の人からの感想文を読みながら不思議な気分に浸っています。

本を出すって、こういうことなんだ。

見ず知らずのひとと、一方通行ではあるが、ご縁ができる・・・

 

一般の方には沢山読んで頂いていますが、肝心の医療者には

この類の本はあまり読んで頂けません。

医療界、医師会のエライ先生には、先日、怒られました。

 

「長尾先生、医者が死の本なんて書いたらダメだよ」

医療者には、「死」はまだまだ、タブーなのです。

タブーではないようにしましょうというのが本書なのですが。

 

お医者さんで自分で買って読んで頂いた方は、私の知る限り

わずか数人です。

全国で、です。

 

それくらい、この本はお医者さんには人気がありません。

場合によっては、「不都合な真実」なのかもしれません。

実は、それは最初から分かっています。

 

逮捕されるかもしれません。

消されるかもしれません。

石飛幸三先生も全く同じことを仰っていました。

 

売れるのは嬉しいことですが、恐怖心も比例して大きくなります。

 

6月にイタリアのフレンツエのガリレオガリレイ博物館に行きました。

中世に「天動説から地動説」を唱え、迫害を受けた話は有名です。

実はそのガリレオの気分で過ごしています。大袈裟ではありません。

 

この本は、本当は医療者に読んでほしい。

しかし残念ながらそれは、今は叶いません。

医者が一番、「平穏死」を理解してくれないのです。

 

もしもっと市民の共感者が増えたら、読んでくれるかもしれません。

 

オリンピックもいよいよ終盤。

暫くは日本人選手の大活躍の余韻が残ることでしょう。

私は、今週もいつもと同じように、仕事です。

 

休みを取る同僚がいるので、いつもより忙しい。

実は、これから2週間休みなしの生活になります。

気を引き締めて、残暑を乗り越えます。

 

お盆休みに時間のある方には、拙書を読んでいただき、

その感想を教えて頂ければ幸いです。

本当にみなさまの感想を知りたいのです。