《0863》 どこの科に紹介すべきか [未分類]

脳梗塞で在宅療養されている患者さん。

発熱があり調べると結構な肺炎でした。

大病院の呼吸器内科に紹介しました。

 

食事も食べられるので暫く在宅医療で

様子を看てくれ、と言われました。

入院の用意をしていきましたが帰されました。

 

在宅で連日、抗生物質を点滴しましたが、

症状は一向に改善しません。

そこで再度紹介しましたが、また断られました。

 

そうこうしているうちに、軽い腸閉塞に陥りました。

消化器科に紹介すると内科か外科かと聞かれました。

「どっちでもいいです」と答えたのが悪かったのか。

 

内科に行くと、外科へ行くように、

外科に行くと、内科に行くように言われました。

院内のたらい回しです。

 

2巡した内科医師は、元々は呼吸器内科の患者だから

そちらにもどるように言われました。

そこに行くと元々は脳梗塞だから神経内科へ行けと言う。

 

結局、神経内科に入院させていただきました。

最初に受けた科が、とりあえず受け入れるルールだとか。

巡り巡って、やっとめでたく入院させていただきました。

 

病院は縦割りで専門分化しています。

一見いいようですが、実に不便です。

何でも屋がいない、のが病院です。

 

この話を、友人の医師にしたら笑われました。

最初から「総合診療科」に紹介すれば良かったのに。

その病院には確かに総合診療科がありました。

 

病院の総合内科はどこも引き受け手が無い患者さん

をとりあえず受け入れる診療科、だと教えられました。

たしかにあれば便利だがちょっと違和感を覚えました。

 

町医者はたいていいつも総合診療科です。

在宅医はほぼ総合医。

なんでも屋の方が役に立つ場合もたくさんあります。

 

病院の専門分化もいいが、そろそろこの辺にしておいて欲しい。

専門家が多いほど、その病気を診てもらえる確率が小さくなる。

専門性と総合性の両立は、案外難しいものだと実感しました。