《0864》 長引く咳とタバコ [未分類]

咳の患者さんが毎日たくさん来られます。

「咳が止まりません」と問診用紙に書いています。

どれくらいの期間続のか、詳しく聞いてみます。

 

2~3日という人が多いですが、

2~3週間という人もいます。

2週間を超える咳はレントゲンを撮るようにしています。

 

結核や肺がんなどの大きな病気のことがあります。

肺結核を見逃したら、集団感染で大問題になります。

肺がんを見逃したら、訴えられて負けるかもしれません。

 

マイコプラズマ肺炎や百日咳もやや流行っているので

気を抜けません。

患者さんはネットで調べて来ますのでよく知っている。

 

長引く咳の大半は、「咳喘息」です。

気管支の粘膜が空気の出入りに敏感になっています。

吸入用ステロイドで治療します。

 

あと多いのはタバコを吸っている人が風邪をひいて

咳が長引くケースです。

喫煙者は、風邪の治りが非喫煙者の2倍かかります。

 

風邪でクリニックを受診される人の半数以上が喫煙者。

これを指摘すると怒り出す人もいます。

「先週までタバコを吸っても咳は出なかった」と。

 

理屈になると、どこまでも反論されます。

「タバコが原因なら、みんな咳をするはずだ」とか

屁理屈を並べるので診察にとても時間がかかります。

 

何件も医師めぐりをして受診する喫煙者も多い。

気持ちは分かりますが、禁煙が一番の早道です。

単純な話ですが、なかなか信じてもらえません。

 

「タバコはやめました」と先手を打つ人もいます。

よく聞くと今日だけ吸っていないという意味でした。

本人にとっては凄いことのようですので褒めました。

 

禁煙外来のパンフレットを渡しますが、来るのは

100人に1人くらいでしょうか。

3年後に来るような人もいます。

 

タバコの臭いがプンプンする上に、

激しい咳やツバを顔にかけられる日々。

長年やっていても、慣れません。

 

町医者とは、忍耐です。