咳の患者さんが毎日たくさん来られます。
「咳が止まりません」と問診用紙に書いています。
どれくらいの期間続のか、詳しく聞いてみます。
2~3日という人が多いですが、
2~3週間という人もいます。
2週間を超える咳はレントゲンを撮るようにしています。
結核や肺がんなどの大きな病気のことがあります。
肺結核を見逃したら、集団感染で大問題になります。
肺がんを見逃したら、訴えられて負けるかもしれません。
マイコプラズマ肺炎や百日咳もやや流行っているので
気を抜けません。
患者さんはネットで調べて来ますのでよく知っている。
長引く咳の大半は、「咳喘息」です。
気管支の粘膜が空気の出入りに敏感になっています。
吸入用ステロイドで治療します。
あと多いのはタバコを吸っている人が風邪をひいて
咳が長引くケースです。
喫煙者は、風邪の治りが非喫煙者の2倍かかります。
風邪でクリニックを受診される人の半数以上が喫煙者。
これを指摘すると怒り出す人もいます。
「先週までタバコを吸っても咳は出なかった」と。
理屈になると、どこまでも反論されます。
「タバコが原因なら、みんな咳をするはずだ」とか
屁理屈を並べるので診察にとても時間がかかります。
何件も医師めぐりをして受診する喫煙者も多い。
気持ちは分かりますが、禁煙が一番の早道です。
単純な話ですが、なかなか信じてもらえません。
「タバコはやめました」と先手を打つ人もいます。
よく聞くと今日だけ吸っていないという意味でした。
本人にとっては凄いことのようですので褒めました。
禁煙外来のパンフレットを渡しますが、来るのは
100人に1人くらいでしょうか。
3年後に来るような人もいます。
タバコの臭いがプンプンする上に、
激しい咳やツバを顔にかけられる日々。
長年やっていても、慣れません。
町医者とは、忍耐です。