《0865》 防ぎにくい室内熱中症 [未分類]

朝晩は少し涼しくなりましたね。

秋の気配を、少しだけ感じます。

子供は夏休みの宿題が大変な時期。

 

昨日、部屋に入ると倒れていた高齢者がいました。

外は涼しいけれど室内はもの凄い温度と湿度です。

室内で熱中症をおこしたようです。

 

実は、1週間前も同じことがありました。

同居人や近くの家族に、風通しや扇風機を回すように

指示しました。

 

しかし、窓は閉め切り、扇風機は使っていません。

クーラーは壊れていて使えません。

修理するお金もありません。

 

驚いたことに、これだけ暑いのに毛布をかぶり、

頭は冬に使う毛糸の帽子をかぶっていました。

全身、汗びっしょりになって倒れていました。

 

実はその患者さんは認知症患者さんです。

配偶者も認知症患者さん。

いわゆる、老老、認認のパターンなのです。

 

認知症になると、暑い寒いがだんだん分からなくなります。

真夏でもストーブを付けてセーターを着ている人がいます。

温度を感知し衣服を合わせることも、大切な認知機能です。

 

居住環境も悪いが、認知症により室温の感知もできない。

同居人も同じような感じです。

水分補給することも完全に忘れている。

 

警戒心は強いのでヘルパーさんは入れてくれません。

私も家族と一緒でないと家の中に入れません。

このような高齢者同志の世帯が増えています。

 

冬の寒さも怖いですが、夏の高温多湿も怖い。

ちょうどサウナと同じ環境で寝ている高齢者が沢山います。

そんな姿を想像しながら、下町を回っています。

 

これから10数年間、このような老人が増え続けます。

超高齢社会とは綺麗ごとでは乗り切れる気がしません。

お互いさまという言葉は、どちらかが元気な時のこと。

 

みんなが同じように衰えていく時代を生きています。

先日の三重県では、高齢化率70%という町の話を聞きました。

高齢者が100%という集落もあるそうです。

 

住まいの問題は、国を挙げて取り組んでいます。

サービス付き高齢者向き高齢者住宅、です。

しかしその情報は老老、認認の患者さんには届きません。

 

高齢者の住宅情報は、もっとオープンにすべきではないか。

医療や介護は、住まいの上にあります。

もっと住環境に目を向けないといけないと思いました。