《0087》 あなたはどこで死にたいですか? [未分類]

今後、介護施設での看取りが増えると思います。
特別養護老人ホーム清水坂あじさい荘(東京都北区)の鳥海房枝さんの
施設では、施設内看取りが普通のようです。

ご遺体は、裏口ではなく、入所者みんなで正面玄関から見送ります。
それを見た入所者はショックを受けるどころか、むしろ感激するそうです。
「ここは本当に死ぬまでみてくれる所なのだ!」と心から安心されるのです。

これは入所者への「死の教育」でもあります。
そして、遺体は介護者の通信簿だとも。
家族とともに死後の処置をすることで、家族は「死の当事者」になります。

全国に特養は6300カ所もあるそうです。
全国の年間退所者の3割は、施設内看取りだそうです。
とはいえ、まだ相当大きな地域間、施設間格差があります。

今後、病院で死ぬことが難しい時代が来ます。
「病院か在宅か?」ではなく、「施設か在宅か?」の時代となるでしょう。
死に場所については、確実に「施設」が主流の時代がやって来るでしょう。

「老衰や認知症で死ぬのに医療者は要らない!」と、「富山型デイサービス」の
パイオニアである阪井由佳子氏は言い放ちました。
そして、「医療者は看取りの邪魔だ!」
「死亡診断書だけを書いてくれる医者が、一番いい医者だ!」とも。

ウーン……確かに臨終の場に、医療者は要らないかもしれません。
要るのは、家族とお坊さんだけかも。
まあ、患者さんによってかなりニーズは異なりますが。

「おくりびと」という映画がありましたが、我々の現実は「看取りびと」です。
その「看取りびと」とは、実際は訪問看護師、ケアマネ、ヘルパーさんたちです。
そこに医者がいないことは、意外に皆さんに知られてないようです。