激しい腰痛で在宅療養している患者さんがおられます。
血糖値を見る目的で先日、血液検査をしました。
すると血小板が、0.01万と返ってきました。
血小板の正常値は、通常、20~30万。
その方の2カ月前の血小板数は正常でした。
慌てて再度、採血して、検査し直しました。
すると今度は、0.00万でした。
0.00万???
見たことが無い数字です。
患者さんは、いつもと特にお変わりありません。
無症状なのです。
当然、何かの間違いかとも思いました。
しかし、ゼロはゼロ。
説得して至急、入院していただきました。
脳出血すれば、血腫は簡単に止まりません。
結局、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と判明しました。
自分の血小板を壊す自己抗体ができているのです。
時々、ある病気です。
ステロイド治療に反応して血小板は順調に増加しました。
2週間ほどで退院されて元どおりの生活に戻られました。
もしあの時、見つけていなければ何か起こっていたかも。
そう考えると、ゾッとします。
無症状でもいろんな病気が見つかることがあります。
先日、白血球が5万もある患者さんがいました。
その方は、慢性骨髄性白血病でした。
別の方には、自己免疫性溶血性貧血もありました。
結構、いろんな血液疾患に遭遇します。
また先日は、手足が急に脱力した患者さんがいました。
血液のカリウムが、1.7まで低下していました。
通常は、3.5~5.5位ですので、かなりの低値です。
最初、脳の病気を疑ってCTを撮りましたが見当違いでした。
血液でカリウムなどの電解質をチェックしておくべきでした。
順序が逆になってしまいました。
採血を嫌がる患者さんもおられます。
遠慮して1年以上、血液検査をしていない人もいます。
しかし時々は血液検査をしておくべきだと思いました。
今日は往診、外来のあと、北の大地に飛びます。
帯広で在宅ホスピスケアの研究会があるのです。
スタッフ5人は、昨日から帯広入りしています。