《0894》 在宅医療を嫌がる担当医 [未分類]

【相談2】 「在宅医療に切り替えたいと言ったら、担当医が嫌な顏をした」 

近いうちに、家内(86歳)を病院から退院させて、
在宅療養に切り替えたいと思っています。
眠りながら終わらせてあげたいのです。

でもこうした相談をストレートに担当の医師にしてもいいものでしょうか。
以前、家に戻したいと一言言っただけで大変嫌な顔を担当医からされた
経験があるので、どう切り出せばいいのか躊躇しております。

尊厳死公正証書は作ってあります。 
(相談者・東京都/86歳男性)

【回答】

そのお気持ち、よくわかります。
私の周囲でも全く同じ状況です。
おそらく日本中、どこでも同じでしょう。

担当医が在宅を嫌がる理由を考えてみました。

1)患者がいなくなると経営に影響する

在宅に帰るということは、病院から患者さんが減ること。
これを喜ぶ経営者はよほど心の広い人間かもしれません。
単純に、病院かその系列の施設にいて欲しいのでしょう。

2)在宅医を信用していない

家にはレントゲンひとつ無い。
そこで肺炎を診断し治療をするという医療は
あり得ない、と思っている病院の先生が大半。

3)在宅医療を知らない病院医療者。

病院の先生や看護師さんで在宅医療を知っている人は
何割くらいでしょうか?
おそらく限りなくゼロに近いと思います。

自分が見たこともない在宅に自分の患者を預けることに
躊躇する病院医療者が多いのが現状です。
むしろ若い勤務医のほうが、研修で在宅を知っています。

どうも昔の経験がトラウマになっているようですが、
お医者さんに切りだす前に、病院の地域連携室の
スタッフに相談されることを是非お勧めします。

地域連携室は、貿易で言えば中継点です。
病院と在宅との間の関所と言ったほうがいいかも。
病院の中では在宅医療の情報が最も多い場所です。

在宅医の実力、個性なども良く知っています。
内緒で詳しい情報を得てください。
彼らも困っている人には必ずアドバイスしています。