【相談】
近い将来、認知症になったり、ひとりでトイレに行けなくなったら
子ども達に迷惑はかけたくないと常々思っておりましたので、
『平穏死 10の条件』を読んで、大変参考になりました。さっそく日本尊厳死協会に入会したいと思います。
そこで教えてほしいのですが、独居生活で、
在宅医療にかかる費用は、最高でどれくらいと
思っておけばいいですか?施設と在宅では、予算も変わるのでしょうか。
(相談者・千葉県/72歳女性)
【回答】
在宅医療の医療費は、週1回の訪問診療を受けた場合、
だいたい、1カ月に6~8千円程度とお考えください。
最大で1万2千円なので、大きな負担ではありません。
ただし、高所得者や65歳未満で3割負担の方の場合は、
その3倍になり、月8万円が上限となります。
そんな場合に、自己負担金がネックになることがあります。
あと、介護保険の1割負担も加わります。
末期がんや難病以外で、たとえば認知症で訪問看護を
受ける場合は、介護保険の枠内になります。
たとえば、要介護3で上限25万円のサービスの半分を
使った場合の自己負担は、月約1万3千円となります。
医療費と合わせると、2万~2.5万円程度でしょうか。
開業医は、
・機能強化型・在宅療養支援診療所
・通常の在宅療養支援診療所
・どちらでもない
の3つがあり、それぞれで診療報酬が違います。
自己負担金で見た場合、1割負担であれば最大でも
4万7千円程度です。
これをどう考えるか。
一方、特養の場合は、月5~6万円と安いのですが
尼崎の場合、10年待ちです。
グループホームは、合計で約20万円強かかります。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、両者の中間、
月10~15万円程度でしょうか。
このような中間層が、爆発的に増えつつあります。
但し、かなりの地域差があります。
以上は都市部での話です。
正確に言えば、3大都市圏です。
グループホームは20万円強と書きましたが、田舎であると
15万円を切るところも沢山あるようです。
日本は広く、一般論としては書きにくいところです。
年金が国民年金か厚生年金かで、入所できる施設が
変わってきます。
これは現実です。
在宅医療は、どちらであっても負担できる範囲内だとは
思いますが、最近は自己負担ができずに、断る方も時々おられます。
国民年金だけでは在宅医療を受けるのも苦しいと文句を言われます。