《0091》 救急隊員はなぜか病院志向 [未分類]

「糖尿病でお薬を飲んでいる独居の在宅患者さんが意識不明です!」と、
ヘルパーさんから慌てた声の電話がありました。

「もう救急車を呼びましたから」とも言われ、救急隊員に電話が渡されました。
私は「低血糖だと思いますから、すぐにうかがいブドウ糖を注射しますね」と言いました。

しかし、救急隊員は「全く意識がないので、これは脳血管障害に間違いありません」と、
まったく取り合わず、一方的に電話を切りました。
まるでアホな町医者を無視するかのように。

数時間後、ヘルパーさんからまた電話がありました。
「低血糖発作でした。すぐに意識が回復して、今、家に戻られました」と。
私は「御苦労さま。やっぱりそうでしたか」と、複雑な思いでした。

「今後は救急車を呼ぶ前に私に相談してね」と言いましたが、返事はありませんでした。
消防署に出向き、「さっき話の途中で電話で救急隊長さんと話をさせてください」と
言いましたが、門前払いでした。

日を改め、消防署長さんに面談を申し込み、
「救急隊員らに在宅医療スステムについて説明する機会を作ってくれませんか?」
と頼みましたが、 これも門前払いでした。

救急隊は「何かあれば病院。在宅医と我々は何の関係もない」という考え方でした。
在宅看取りのはずの患者さんを、ケアマネさんやヘルパーさんが勝手に救急車を呼んで、
病院で死亡診断書を書いてもらい、安心して(?)帰宅するということが何回かありました。

このような無用な救急搬送は、「在宅看取り」の啓発で減らせるのではないでしょうか。
しかし、患者さんのみならず、救急隊員の「病院志向」も相当なものです。

ただでさえ大変な救急搬送システムの、「仕分け」も考える時期ではないでしょうか。
「在宅医との連携強化で、無駄な救急搬送の1割は減らせる!」が、私の意見です。