【相談】
先生が本書でも批判されている通り、私の義母も、誰が見ても
「もう無理だろう」と思うほど痩せこけて、表情もなくなり顔色が
土色になった状態の亡くなる1週間前まで抗がん剤を打たれていました。著名な大学病院で、です。
そういうものだ、と思っていました。
でもそれは自然なことではないと長尾先生の本を読んで気が付きました。義母の大切な教えを心に、今後自分の大切な人が末期がんになったとき、
義母と同じ思いはさせたくないと思っています。「もう抗がん剤をやめてください」と家族が医師に言える
タイミングがあれば、教えてほしいです。
(相談者・秋田県/40歳女性)
【回答】
昨日、神戸で開催された「日本がん楽会」で、抗がん剤の
やめ時について抗がん剤治療の専門家と議論したところです。
専門家曰く「昼間の半分以上寝てる状態なら止める」とのこと。
私自身は、
・自分で歩いて病院へ通院できること
・食事が普通に食べられる状態であること、
を原則にしています。
ですから衰弱した患者さんに抗がん剤を打つことには反対です。
安楽死させる気か?とさえ思います。
ですから亡くなる1週間前までということに違和感を感じます。
もちろん主治医は、がんを治そうと思ってやっていたのでしょう。
しかし抗がん剤で、がんは治りません。
患者さんの方から、中止をお願いすればよかったですね。
医師が抗がん剤を、なかなかやめられない理由を挙げてみましょう。
1) 最後までがんと闘うことが医師の責務だと考える
2) 抗がん剤をやめると、ギブアップしたことになる。
3) そうなると、患者さんに申し訳ない・・・・
ギブアップすべき時に、そう言ってくれる医師は良い医師だと思います。
しかしなかなか、そんな医師は少ない。
ならば、患者自ら中止を切り出すしかないでしょう。
患者さん側からその言葉を聞くと医師は安心して止められます。