《0914》 「胃管か胃ろうかで悩んでいます」 [未分類]

【相談】

私の母は、6月末に脳梗塞で倒れ今も入院中です。
最初は脳が腫れて危ない状態でしたが、
今は左半身麻痺と失語症があります。 

鼻管で栄養を取り1日1回2時間ほど車椅子に座ります。
少しずつではありますが意識も回復し目も開き、『たぶん家族の
ことが認識できているだろうな…』という感じです。 

8月末に奇跡的にゼリーを口にすることができ今も
ほぼ毎日食べていますが、食事を口からというのは無理でしょうと
主治医から言われています。 

毎日病院に行くのは私ですが、姉から胃ろうは絶対反対と
『平穏死…』の本を渡され、私と父も納得し鼻管で受け入れ
可能の医院に転院しました。 

日々少しずつ回復する中で、鼻管を抜こうとするので、私や父がいる
以外のほとんどを、唯一動く右手はミトンをしている状態です。 

胃ろうは躊躇しますが、このままで良いのかなと悩んでいます。
どうかアドバイスをお願いします。 

【回答】

お母さんのような脳卒中後の患者さんは大勢おられるでしょう。
急性期は嚥下機能が極端に落ちますから、お母さんのように
一時的に、経鼻胃管による人工栄養を行うのが一般的です。 

さて、現在は、意思疎通がわすかにできて、
ゼリーが食べられるまで回復したとのこと。
これは、胃ろうを造設するタイミングです。 

胃ろうは胃管より優れています。
本人にとって苦痛がありません。
お母さんのように縛られることもありません。 

「胃ろうはイヤだから、胃管に」という誤解が
都市伝説のように広まって我々は困っています。
躊躇なく、胃ろうに変更してあげてください。 

そして嚥下リハと口腔ケアを頑張ってください。
再び食べられるようになるための胃ろうです。
それまでを支えるのが胃ろうという人工栄養法。 

現在の胃ろう議論の本質は、
意思疎通ができなくなって、全く食べられなくなった時に
栄養剤の注入の中止をするのが困難な点です。 

どうか前向きに考えてください。
胃ろうに特化した書籍を執筆中です。
来月にはお届けできると思います。
是非、その書籍もご覧ください。