【相談】
私の母は、6月末に脳梗塞で倒れ今も入院中です。
最初は脳が腫れて危ない状態でしたが、
今は左半身麻痺と失語症があります。鼻管で栄養を取り1日1回2時間ほど車椅子に座ります。
少しずつではありますが意識も回復し目も開き、『たぶん家族の
ことが認識できているだろうな…』という感じです。8月末に奇跡的にゼリーを口にすることができ今も
ほぼ毎日食べていますが、食事を口からというのは無理でしょうと
主治医から言われています。毎日病院に行くのは私ですが、姉から胃ろうは絶対反対と
『平穏死…』の本を渡され、私と父も納得し鼻管で受け入れ
可能の医院に転院しました。日々少しずつ回復する中で、鼻管を抜こうとするので、私や父がいる
以外のほとんどを、唯一動く右手はミトンをしている状態です。胃ろうは躊躇しますが、このままで良いのかなと悩んでいます。
どうかアドバイスをお願いします。
【回答】
お母さんのような脳卒中後の患者さんは大勢おられるでしょう。
急性期は嚥下機能が極端に落ちますから、お母さんのように
一時的に、経鼻胃管による人工栄養を行うのが一般的です。
さて、現在は、意思疎通がわすかにできて、
ゼリーが食べられるまで回復したとのこと。
これは、胃ろうを造設するタイミングです。
胃ろうは胃管より優れています。
本人にとって苦痛がありません。
お母さんのように縛られることもありません。
「胃ろうはイヤだから、胃管に」という誤解が
都市伝説のように広まって我々は困っています。
躊躇なく、胃ろうに変更してあげてください。
そして嚥下リハと口腔ケアを頑張ってください。
再び食べられるようになるための胃ろうです。
それまでを支えるのが胃ろうという人工栄養法。
現在の胃ろう議論の本質は、
意思疎通ができなくなって、全く食べられなくなった時に
栄養剤の注入の中止をするのが困難な点です。
どうか前向きに考えてください。
胃ろうに特化した書籍を執筆中です。
来月にはお届けできると思います。
是非、その書籍もご覧ください。