《0092》 胃ろう半分、口から半分 [未分類]

再び胃ろうの話です。
喜んでいる人も、当然のことですが大勢おられます。

小児の在宅医療もしていますが、ゼロ歳児や小さな子供さんの胃ろうは、
まさに命綱であり、絶対必要なものです。
結局は、年齢が重要な因子になります。

しかし、99歳で日野原先生のように超元気な人もいますし、
50歳で認知症で寝たきりの人もいますから、年齢だけでも不充分です。

年齢、QOL、ADL、認知症の有無などで、総合的に評価する
高齢者総合機能評価(CGA)という指標があります。

既に某大学病院では、CGAの審査を通らないと高齢者の手術ができません。
胃ろうも、CGAで適応が論じられる時代がやって来るかもしれません。

また、「胃ろうか否か」と、力んでみたところで、いざ胃ろうを作製してみると、
「胃ろう半分、口から半分」といった状態が、長期間続く人もおられます。

医学の発達で生まれた、この便利な道具を我々はどう使うか、ということなのでしょう。
そして、もし「胃ろう」を選んだら、「後悔のないハッピーな胃ろう人生」を送って
いただきたいと願います。