《0923》 月のあかり [未分類]

この文章を東京から大阪に帰る最終の新幹線の中で書いています。
東京での在宅医療の勉強会に2時間だけ参加してトンボ帰りです。
週に何度か、こんな不健康な「トンボ帰り生活」を続けています。 

ネットを開くと「桑名さん死去」という字が飛び込んできました。
昨日の文章は、何も知らずに書いたものです。
偶然とはいえ、もの凄い文章を書いてしまいました。 

いま、これを書きながら涙が溢れてきました。
新幹線の中で泣いていたら、ますます変なオッサンです。
しかし思わず、新幹線の窓から「夜空」を見上げました。 

「月のあかり」が見えていないか、です。
残念ながら、お月さんは見えませんでした。
しかし、心の中に「月のあかり」が自然に流れてきました。 

ひとつの青春が、また終わりました。
このブログを読んで頂いている50代の方なら、お分りでしょう。
昨夜、やっぱあの店に寄っておくべきだったと少し後悔しました。 

あの声を聞けないと思うと本当に辛い。
彼独特の歌い方、喋り方が耳にこびりついています。
大阪独特と言ったほうが正しいかもしれません。 

脳幹出血で倒れてから3カ月。
長く、せつない3カ月間だったと想像します。
勤務医の時、同じような患者さんを何人か診ました。 

どこまでが救命処置で、どこからが延命処置だったのか。
ちゃんと線を引ける医者など、この世にいないでしょう。
私自身は1カ月以降は、延命だと勝手に思っていました。 

しかし亡くなってしまえば、そんなこと、もうどうでもいい。
彼を偲び、彼のご冥福を、ただただ祈るだけです。
今夜は彼の歌を歌いながら、尼崎の街を歩きたい。 

阪神大震災ではボランティアとして活躍して、
福祉活動にも熱心だった、とネット記事で
恥ずかしながら、今夜はじめて知りました。 

桑名さんは59歳。
おそらく私も同じような運命だと思います。
親父が48歳だったので、それでも充分です。 

そういえば今夜、講演をして議論の相手をして頂いた
日本で一番有名な在宅医も59歳と言っていました。
私はその会議で、「5年後輩」ですと、発言しました。 

あと5年で何ができるのか?
自分でも分かりません。
しかし50代が一番仕事ができると感じます。 

しかし野田総理を見ていると睡眠不足で倒れないか心配です。
郷ひろみを見ていると、毎日、あんなに激しく踊っていたら
めまいで転ばないか心配です。 

いろんな「年齢による衰え」を感じ始めるのが50歳代。
60歳代になれば、ハッキリ自覚すると皆、言われます。
70歳代になれば、今度は激しく個人差が出てきます。 

石原都知事の発言には、日本中が驚きました。
80歳にして立つ。
日本のみならず、世界が驚きました。(脱線しました) 

人生は長短ではありません。
与えられた一日一日をいかに生きるか。
生かされていることに感謝しながら、ただ生きるだけです。 

いろんなことを考えさされた桑名さんの「死」。
在宅医として死は日常ですが、今夜の死はちょっと違う。
極めて個人的な想いを、ご批判を覚悟で書いてみました。