《0926》 認知症の学会で手品を見た [未分類]

手品は奇跡を人に体感させるエンターテイメント。 

日本認知症学会の昼休みに行われたセミナーで
認知症の専門医による、手品の講演を見ました。
「認知機能の隙から見る手品」という演題でした。 

自ら軽快な手品を披露しながら、手品がどのような
心学的な原理を利用しているかを解説されました。
手品と分かりながら手品を見るのは何故でしょうか。 

我々の注意が外に行き、手品のタネを見落とすので
手品が成り立ちます。
観客の注意を他に向けて、マジシャンはタネを仕込む。 

手品の仕込みに我々の注意が行かないのは、
意図的に人間の注意が外にそらされるからです。
広がるものや動くものや赤いものに目を奪われるのです。 

これを「ミスデイデクション」と呼ぶそうです。 

いわば、人間の認知機能の特性を利用したのが手品です。
「手からハトが飛び出した」と認知させるのが手品です。
誤って認知させることが、手品の醍醐味なのでしょう。 

おそらく歳を取るほど手品が魔法に見える!?
いわば認知機能の低下を楽しむのが、手品?
手品は、いろんな見かたができるのです。 

それにしても、手品に隠された人間の認知機能の
特性、そして秘密の一端を教えていただきました。
医学会で手品を見たのは初めてで、最も印象的でした。