《0938》 2人に1人がかんになり、3人に1人ががんで死ぬ [未分類]

2人に1人がかんになり、3人に1人ががんに時代であると言われています。
私自身、がんは一度も患ってはいません。
正確には症状がないので、勝手にそう思っているだけかもしれません。 

実際には、すでに深刻ながんが潜んでいるかもしれませんが。
これまで気まぐれで2~3回受けたがん検診では異常無しでした。
1度、後輩医師の胃カメラの練習台にもなりました。 

苦しかったので、もう二度とイヤだと思いました。
何千人もの患者さんに胃カメラをしておいて、日々胃カメラを勧めておいて
自分はイヤだとは、酷い医者です。自分でもそう思います。 

こんなことを書くと、驚かれるかもしれませんが、
周囲の同業者もあまり、がん検診を受けていないようです。
忙しいから、面倒くさいから、怖いから・・・? 

最後の「怖いから」というのには、「もしかしたら手遅れのがんが見つかるかもしれない」
という不安でしょうか。
知らぬが仏? 

患者さんからは、「医者の不養生」と笑われるでしょう。
しかし本当だからしょうがない。
少なくとも私の場合は。 

私の知る限り、がん医療に携わる医者、がん検診を説く医者ほど、
自分自身は、ほとんどがん検診を受けていない事が多いように思います。
あくまで私の感覚です。 

これは1997年に慶応大学の近藤誠先生が出版された
「患者よ、がんと闘うな」や、その後の「あなたのがんはがんもどき」
などの著作とどこか似た思想を感じます。
「助かるものは助かる、しかしダメなものはダメ」。 

「ならばジタバタせずに、今を楽しく生きればいい」
これは、多くの市民のみならず、多くの不養生な町医者の本音かもしれません。 

そう考えると、近藤先生の思想もそう悪くない、
むしろ心情的には賛同するという医者が案外多いのではないかとも思います。 

一方、会社勤めの人は、年1回の健康診断を義務づけられています。
オプションでがん検診がついてくる会社や
がん検診のついた人間ドックに
補助金がついている会社も多くあります。
そこで、いろんなステージのがんがみつかります。 

いわゆる「早期発見、早期治療」の恩恵に預かれる人もいれば、
がんのステージが進んでいて、手術や抗がん剤治療を要する人もおられます。 

手術や放射線治療は回数が限られますが、
抗がん剤治療は、結構長い期間、
手を変え品を変え続くことがよくあります。
最初は良くても、途中から様々な悩みが増えます。 

そんな時、町医者は案外いい相談相手になることがあります。
(続く)