《0943》 がんが縮んだが、顔も縮んだ [未分類]

抗がん剤治療で、がんが小さくなることもあります。
「もあります」と書いたのは、そうならないこともあるからです。
いくらきつい抗がん剤を打ってもビクともしないがんがあります。 

効果があったかどうかは、いくつかの方法で判定します。
ひとつは画像診断。
エコーやCTやMRIなどの画像で、効果を判定します。 

もし直径が半分になっていれば、がんの体積がおそらく
4分の1に減ったことを意味します。
すごいことです。 

腫瘍マーカーもあります。
大腸がんならCEA、膵臓がんならCA19-9、肝臓がんならAFPなど、
それぞれの臓器に特徴的ながんマーカーが知られています。 

一方、マーカーが無いがんもいくらでもあり、
「素行調査」しにくいがんがあるのが現実です。
また画像でも捕えにくいがんも稀に経験します。 

腫瘍マーカーは、だいたいがんの体積に比例すると考えられています。
マーカーの値が、半分になったなら、がんの体積も半分になった。
私は、そのように考えています。 

がんが小さくなることは大変、喜ばしいことです。
しかし本当は、生存期間が伸びないと抗がん剤治療を
する意味がありません。 

「がんが小さくなること=生存期間延長」とはいきません。
一旦小さくなった後に、急に大きくなることがあります。
抗がん剤の判定は、それほど単純でないようです。 

腫瘍マーカーが下がることはいいことです。
もしそれほど効いたなら、いう事はありません。
すごい効果があった、と考えるべきでしょう。 

しかし、顔も身体も小さくなっています。
がんが縮んだけれども、顔も縮んだ…… 

手放しで喜んでばかりいられないのが、
抗がん剤治療の現実です。
(続く) 

【PS】
今日は、東京ビッグサイトで開催されている
ホスペックジャパンで講演しています。