《0944》 外来抗がん剤治療が主流に [未分類]

抗がん剤治療を行う場として、従来は入院が主体でしたが、
現在は、病院の外来で行うことが増えています。
また、自宅や近くの開業医で行うこともあります。 

外来抗がん剤治療は、朝から半日程度、病院の外来ベッドで行います。
抗がん剤外来に、10~20ものテレビ付き豪華リクライニングベッドが
完備されている病院もあります。 

1つのベッドで、患者さんが1日に2回転、3回転することも。 

とにかく外来抗がん剤治療室が、抗がん剤治療の主要な場になってきました。
抗がん剤も、外来で使える薬と、入院でしか使えない薬に、
だいたい分かれています。 

おおまかにいうと、かなりの副作用が予想されるお薬は入院で行います。
またお薬によっては、さまざまな制約がついています。 

外来抗がん剤室には、専属の専門スタッフがいます。
抗がん剤専門の資格を持つ医師や看護師が主に配置されています。 

医師は、その日の患者さんの体調をチェックし、抗がん剤の指示を出し、
点滴中に異常がないか観察します。 

医師でないとできない点滴は、医師が行いますし、
常に見守りができる位置にいます。
ひとくちに点滴と言っても、30分たらずで終わるものから、
2~3時間かかるものまでいろんなお薬があります。 

あと、患者さんの状況や希望で入院となることもあります。
いずれにせよ、抗がん剤治療メニューによって、だいたいどこの場で
どのコースになるかが決まります。
もちろんどのメニューにするかは、患者さんと主治医の話し合いで決まります。 

外来抗がん剤治療室までどうやって通うかについては、様々な方法があります。
電車に乗って歩いて通院する方。タクシーや自分か家族の車で通院する方。
介護タクシーを手配して通院される方。病院の前にマンションを借りた方…… 

中には寝台車を手配して抗がん剤を打ちにいった患者さんもいました。
実に様々な通院方法で通っておられますが、
その通院方法は抗がん剤メニューに考慮されません。 

私は患者さんに「今日どのような交通手段でここまで来たのか先生に聞かれました?」
という質問をよくします。
ほとんどの人は「そんなこと、聞かれたことがない」と答えます。 

自宅でほぼ寝たきりの人でも、洋服を着て外来の豪華ベッドに寝ていたら、
健常者と間違われるくらい「見た目が元気そうな方」も結構、おられます。
(続く) 

【PS】
昨日は、東京ビッグサイトで在宅医療と終末期医療について講演しました。
連日連夜、同じようなことをしています。
今日も、明日も同じです。