《0948》 標準治療とオーダーメイド治療 [未分類]

2007年4月に、がん対策基本法が施行されました。
その中で「がん医療の均てん化」という文言が謳われています。
都会でも田舎でも、同様のがん医療が受けられるという意味です。 

がん治療のレベルを高いところで揃えようというものです。
もしがん治療法に、優等生、普通、劣等生がいるとしましょう。
レベルを普通に合わせるのではなく優等生に合わせる、ということ。 

これは言うは易し行うは難しです。
たとえば三大療法のひとつの柱である放射線治療をとって見ても
最先端の施設もあれば、放射線治療部門がない施設もあるのです。 

どこでも高水準で同じようにできるといっても、現実には難しい。 

抗がん剤治療の場合、「均てん化」の原則に従えば、
「標準治療」ということになるのでしょうか。
それぞれの臓器に、それぞれの臓器の専門家が定めた標準治療があります。 

しかし現実には、副作用が出やすい人と出にくい人がいます。
副作用が出やすいひとには、標準治療がいい治療法であるとは限りません。
薬の量を少なくしたり薬に変えたり、それぞれの人に合わせた工夫をします。 

じつは、抗がん剤が効き易いかどうか、あらかじめ調べる方法があります。
抗がん剤感受性試験(CD-DST法)です。
事前に副作用が出やすいかどうかが判明していたら、非常に助かります。 

抗がん剤感受性試験は、胃がんには健康保険が適応されます。
肺がん、乳がんや、大腸がんには健康保険は適応されませんが、
自費で検査できます。 

標準治療で効かない、あるいは副作用が出やすい人は、
オーダーメイド理療への変更が必要です。(続く)