《0950》 化学放射線療法とは? [未分類]

放射線療法と外科手術は、局所療法です。
一方、抗がん剤治療は、全身療法です。
抗がん剤は血液を介して全身を巡ります。 

昨日、日本の放射線療法の課題について書きました。
しかし、その放射線療法を行う時に抗がん剤を
併用したらいいんではないかという考え方があります。 

それを「化学放射線療法」といいます。
抗がん剤と放射線療法を同時に行うことで、
治療成績を向上させよう、という考え方です。 

頭頚部腫瘍、食道がん、肛門がん、膀胱がん、子宮頚がんなどが、
その対象として推奨されています。
肺がんや肝臓がんにも適応されることがあります。 

あくまで放射線治療が主体で、それに合わせて
抗がん剤治療も行う、という考え方です。
相乗効果を狙います。 

2つの柱となる治療法を同時に行いますので、
当然、副作用の心配がより大きくなります。
従って比較的元気な方にしかできない治療法です。 

しかし、この治療法によって、非小細胞肺がんでは
5年生存率が2~4倍に向上したと言われています。
正直、あまり知られていないすごい効果だと思います。 

現在は、ピンポイント攻撃である分子標的治療薬と
放射線治療の併用の有効性も検討されています。
放射線治療も抗がん剤治療も、日進月歩です。 

【PS】
今日11月23日は毎年恒例の、「在宅医療の日」です。 

第8回在宅医療推進フォーラムが東京で開催されます。
私は、第1回から毎年、連続して出席しています。
今日は、近畿地方代表として少しお話しします。 

昨日は、大阪の朝日新聞社で平穏死の講演をしました。
みなさま、本当に熱心に聞いて頂き、嬉しかったです。
毎日、ドサ回りのような生活をしています。