《0952》 重粒子線治療は将棋の桂馬 [未分類]

昨日は、ピンポイント照射という放射線治療について述べました。
実は、それに勝るとも劣らない放射線治療があるのです。
重粒子線治療です。 

よく、将棋の「桂馬」にたとえられます。
途中にある臓器を飛び越えて
がん組織だけに照射できるのです。
それだけ聞けば、夢のような治療法です。 

骨軟骨部肉腫、腎臓がん、膵臓がん、
眼球にできた悪性黒色腫などに威力を発揮します。
その他として、前立腺がんにも使われます。 

ただし前立腺がんには、従来の放射線治療が優先します。
また、重粒子線と抗がん剤の組み合わせもあります。
先に述べたように化学放射線治療です。 

放医研や日本放射線腫瘍学会の
ウェブサイトを開けば、重粒子線治療が
受けられる施設が分かります。

 ただ、重粒子線治療の一番のネックは医療費でしょう。
健康保険がきかないため、ワンクールに300万円もかかる。
この金額を聞いた途端、そこで諦めるひとも多いかと思います。 

私のクリニックに、以前、この治療を3回受けて
合計1000万円使ったという患者さんが来られました。
正直、ちょっと気の毒に思いました。 

以上、がんの三大治療のひとつである放射線治療の概要です。
世界的視野でみると日本のがん医療は、あまりにも
抗がん剤に偏りすぎている気がしています。 

もちろん地域や施設による差が大いにあるでしょう。
また、放射線治療の対象になるかどうかという問題もあります。
いずれにせよ放射線治療に関しては情報を「求めて」ください。