《0953》 がん検診は「ハイリスク検診」へ [未分類]

話が戻りますが、がん検診の現状と展望について少し触れます。 

そもそも、がん検診は、自覚症状が無い方に行うものです。
日本でのがん検診といえば、胃、大腸、肺、乳房、子宮がんです。
これらは、「5大がん」と言われるもの。 

現在、特定検診(メタボ検診)は、熱心に宣伝されています。
それは市町村に、ペナルティーがあるためです。
一方、ペナルティーの無いがん検診の受診率は低いものです。 

がん検診は、受診率が60%以上でないと
検診として成立しないと言われています。
しかし、日本での受診率は、20%です。 

マンモグラフィーによる乳がん検診は、10%です。
一方、アメリカは70%、韓国は60%だそうです。
韓国は2003年にペナルティーができたそうです。 

現在、日本で行われているがん検診は以下です。 

 胃がん検診 :バリウムによる胃透視
 大腸がん検診:便潜血
 肺がん   :胸部レントゲン
 乳がん   :マンモグラフィーと触診
 子宮がん  :細胞診
 前立腺がん :PSA測定 

検診を受けた人に、どれくらいの確率でがんが見つかるか。 

 胃がんの発見率は、0.12%
 大腸がん     0.16%
 乳がん      0.23%
 前立腺がん    0.63% 

実は無作為にがん検診を行っても、あまり効率は良くないです。
やはり、がんに狙いを定めて効率の良い検診を目指すべきです。
それを「ハイリスク検診」といいます。 

 胃がんであれば、ピロリ菌陽性の人に。
 肺がんであれば、喫煙者に肺のCTで。
 肝がんであれば、B型C型肝炎を対象に。
 子宮頚がんであれば、パピローマウイルスチェックを。 

結局、無差別に攻撃をしても、あまり効率が良くない。
「ハイリスク群」を決めてそこにターゲットを定めた
がん検診に変えていく必要があります。 

がん検診を受けるか受けないか、個人の自由です。
しかし国策として受診率向上が謳われてきました。
最近は、それが「ハイリスク検診」に変わりつつあります。 

まずは、「ハイリスク群」を設定する作業からです。
そこから、より効率良く、かんが診断されています。
見つかったがんの大半は、三大治療に委ねられます。