いわゆる抗がん剤について、ごく簡単にご紹介します。
1 アルキル化剤
乳がんに使われるエンドキサンなど。
2 代謝拮抗薬
有名な、5-FUやTS-1をはじめ、メソトレキセートやアリムタなど。
3 プラチナ製剤
シスプラチン、パラプラチン、オキサリプラチンなど。
4 植物アルカロイド
オンコビン、タキソール、タキソテール、カンプト、ペプシドなど。
5 抗がん性抗生物質
アドリアシン、ファルモルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシンなど。
6 有機化合物
乳がんに使われるハラヴェン・
こう書きながら、私が使ったことがない薬は3割あります。
上に挙げた7割の薬は、私自身、確かに使いました。
今、生きておられる患者さんは、数名しか顔が浮かびません。
早期胃がん手術後に、半年ないし1年間、
TS-1を飲んで頂いた方がいました。
何人かは、生きておられます。
裏を返せば、それ以外の患者さんは、亡くなりました。
なんだ、それじゃあ効かないじゃないか!と
言われる方は、抗がん剤の本質を分かっておられません。
抗がん剤の本質は、延命治療であることです。
早期がんにダメ押しで投与する場合は除いて
大半は、がんにおける延命を目的とするお薬です。
もうひとつは、これらのお薬は、全身に作用することです。
がん以外の正常組織にも作用するお薬なのです。
そう、副作用で悩むのは、これらの抗がん剤なのです。
正直、これらの薬は、本当に必要なのかな?
という思いがこみ上げてきます。
理屈ではなく、個人的な経験が目の前に蘇ってきます。
昔、これらのお薬は、どれくらいしんどいのか
自分に試してみようと思ったことがありました。
しかし、これらのお薬は自分には入手できなかった。
何人かの抗がん剤の専門家に聞いてみました。
「これらのお薬を自分に投与したことがありますか?」
YES、と答えた医師を私は知りません。
胃カメラを自分自身が受けた時、ショックでした。
そうそうバリウムを飲んだ時も、ショックでした。
こんな苦しいことを患者さんにしているのか・・・
抗がん剤は、それさえ知らずに投与してきました。
こうやって羅列しながら、懺悔の念にかられます。
私が抗がん剤が嫌いになったのは、これらの薬を
患者さんに投与して、何一ついい思い出が無かったから。
そんな単純なことを思い出しながら書いています。
【PS】
昨日は、介護界の大御所である三好春樹さんを
尼崎にお迎えして講演後、
地域で最期を迎えることについて議論しました。
三好さんとは毎年、かいご学会でご一緒していますが、
知れば知るほど、深い方だとあらためて思いました。
今日は、岡山でお医者さん対象に講演をしています。