《0962》 非小細胞肺がんの抗がん剤 [未分類]

「イレッサ」という薬は、間質性肺炎で有名になりました。

当初は夢の薬でしたが、その後は、争いごとになったお薬。
今日は、そのイレッサについて書きます。

非小細胞肺がんでは、EGFR遺伝子を調べます。
EGFRとは、上皮成長因子受容体のことです。
肺の腺がんの40%が、EGFR陽性と言われています。

EGFR陽性であれば、最初の治療は、イレッサが選ばれます。
1日1錠飲みますが、1日に薬代は7000円かかります。
間質性肺炎、かゆみ、下痢に気をつけて飲んで頂きます。

もしイレッサを使わないならば、プラチナ製剤(シスプラチン)と
第3世代抗がん剤(パクリタキセル、ゲムシタビン、イリノテカン)
などの併用療法が行われます。

次に、EGFR遺伝子に変異がない患者さんはどうずればいいのか。
EGFR陰性の非扁平上皮がんで、元気な方には
白金製剤を中心とした抗がん剤療法が行われます。

シスプラチン+アリムタ、ないし
カルボプラチン+パクリタキセル+アバスチンが使われます。
アバスチンは1クールのお薬代は57万円と高価なお薬です。

扁平上皮がんには、
パクリタキセル+カルボプラチンないぢ
シスプラチン+ゲムシタビンが、投与されます。

以上は、原則として75歳以下の患者さんへの治療法です。
抗がん剤と放射線を組み合わせる化学放射線療法のことも。
高齢の患者さんには放射線治療のみで行うこともあります。

イレッサはEGFRに変異があれば、高齢者にも使われます。
白金製剤による治療よりイレッサの方が副作用が少ないのです。
単に年齢だけでなく、体力によっても治療薬は変わってきます。

EGFRに変異がない高齢者には、
タキソテールやナベルビンやジェムザールなどの
単独投与となります。

非常に複雑ですね。
以上、非小細胞肺がんの抗がん剤をまとめてみましょう。

小細胞がんか非小細胞がんで区別される。
非小細胞がんは、扁平上皮がんと非扁平上皮がんに分別。
非小細胞がんは、EGFR遺伝子の陰性陽性で分かれる。

ああ、こう書いている間に、あるがん拠点病院を
退院された肺がん患者さんの在宅医療を依頼されました。
白金製剤の治療が辛くて、逃げて帰られたのです。

PS
昨夜は、ボクシングの亀田興毅選手の試合をリングで観戦。
36年前、春の高校バレーで試合をした床の上に座りました。
ハラハラドキドキしましたが興毅選手が僅差で勝ちました。

ボクシングは素人にも分かり易いスポーツ。
やったことはありませんが、やりたくなりました。
いややらなくても、そのような気持ちで生きればいいのですが。