《0970》 50歳以上、男性、酒、タバコで見つけるがん [未分類]

食道がんは、とても怖い病気です。
食道の壁の外側に漿膜という防壁が無いので
リンパや血管を経由して早期から転移しやすいのです。

食道がんを見つけようと思えば、見つかりやすい方法があります。
50歳以上、男性、酒、タバコ。
この4つのキーワードすべてに該当する人に内視鏡をするのです。

表面だけのがんの場合、内視鏡で剥ぎ取る手術(ESD)が
行われますが、そのような早期発見自体が難しいのが食道がん。
内視鏡での通常観察に加えて、ルゴールを散布して観察します。

Ⅰ~Ⅲ期の場合外科手術か化学放射線治療のどちらかです。
手術する場合、術前化学療法が行われることが標準的です。
化学療法はには、5ーFUとシスプラチンが併用されます。

そこに、タキソテールという分子標的薬を用いることもあります。
これは点滴で行います。
さらにアービタックスやTS-1の臨床治験が、行われています。

有名な歌手や役者さんが、食道がんになったというニュースを
聞くたびに、タバコというものの存在を恨みます
また、早期発見、早期治療の重要性を再確認します。

【PS】
寒い毎日です。
風邪やノロウイルスの患者さんで混みあっています。
駆け込みではなく、余裕を持って受診してください。

連日、在宅看取りが続きます。
みなさん、驚くほど平穏な最期です。
平穏すぎてこれでいいのか、とご家族に聞かれます。

平穏死の本は買っていても、平穏死を信じていないのです。
本当に平穏死を看取っても、まだ、平穏死を信じていない。
どうすれば、医療者や市民に信じていただけるのだろうか。