《0974》 腎臓がんと抗がん剤 [未分類]

腎臓がんは、エコーで簡単に見つかります。
エコーを当てて1分で診断がつくのが腎臓がん。
開業医が最も見つけやすいがんのひとつです。

無症状か、血尿が唯一の症状のことが多い。
血尿があれば、必ずエコーを受けてください。
男性の方が、女性より2~3倍多いがんです。

腎臓がんの特徴は、脳や骨に転移しやすいことです。
もちろん、タチのいいがんから、タチの悪いがんまで様々。
腎臓がんの治療法としては、原則、手術をします。

腎臓は2つあるので、1つ取っても大丈夫です。
腹腔鏡手術、ラジオ波、凍結療法なども行われます。
Ⅳ期の腎臓がんには、薬物療法が行われます。

転移した腎臓がんには、インターフェロンが使われます。
そして最近では、分子標的薬が登場しました。
チロシンキナーゼ阻害薬、というお薬です。

がん細胞が増殖する時に新しい血管を作ります。
この血管新生には、チロシンキナーゼという酵素が
作用しますが、それを阻害するのがこの薬です。

商品名でいうと、ネクサバールとスーテントです。
両者とも、副作用として手足の皮膚が荒れる
手足症候群が知られています。

チロシンキナーゼ阻害薬が効かない人には、
mTOR阻害薬というお薬が、使われます。
アフィニトールとトーリセルという名前です。

腎臓がんと似たがんに、腎盂がん、尿管がんがあります。
これも男性に多く血尿を契機に発見する場合があります。
手術は腎臓と尿管の全切除です。

早期の腎盂尿管がんには、BCGを注入することがあります。
BCGとは、結核予防ワクチンです。
免疫細胞を活性化することが目的です。

浸潤性腎盂尿管がんには、M-VAC療法やGC療法が行われます。
メソトレキセート、エクザール、アドリアシンの3者を併用します。
GC療法では、ジェムザールとシスプラチンが併用されます。

腎臓がん、腎盂尿管がんは当院でも困っている方が常におられます。
やはり早期発見、早期治療が大切です。
実は、私の母もそれで助かりました。

【PS】
選挙が終わりました。
尼崎は、田中さんから中野さんに変わりました。
新政権には、不景気を何とかしてほしいです。