《0979》 前立腺がんの抗がん剤 [未分類]

前立腺がんが増加しています。
食生活の欧米化、高脂肪食、高齢化などが原因です。
なお前立腺肥大と前立腺がんは、直接の関係はありません。

前立腺がんの腫瘍マーカーとして、PSAが有名です。
50歳になったら、一度採血して調べてもらうのもいいかも。
PSAが10を超えたら、がんがある可能性が高くなります。

PSAが4~10の人は、「グレーゾーン」と呼ばれています。
泌尿器科専門医に紹介状を書いて、意見を求めます。
必要と判断されれば会陰部から針を刺しての生検が行われます。

さて、前立腺がんは骨に転移しやすいがんです。
脊椎骨、肋骨、大腿骨、頭蓋骨などに転移します。
大雑把にいえば、大人しい前立腺がんと不良のがんに分かれます。

前立腺がんの治療方法として

  1. 待機療法
  2. ホルモン療法
  3. 摘出手術
  4. 放射線療法

があります。

1.の待機療法とは、がんが見つかってもすぐに治療せず
3カ月ごとに、PSAを測定するという方法です。
このような方法が存在すること自体、前立腺がんの特徴だと思います。

若い人なら積極的に、2.3.4.の治療を行います。
しかし高齢者や体が衰弱した人には待機療法という選択肢もあります。
1~4のどの治療法がいいのかについては、ここでは述べません。

どんなお薬が使われるのかだけを、簡単に紹介します。
まず、前立腺がんは、男性ホルモンの作用で増殖します。
乳がんが女性ホルモンと関連が深いことと、似ています。

従って、男性ホルモンを抑えるホルモン治療があります。
3カ月に1回筋肉注射する、リュープリンやゾラデックスです。
1日1回内服するカソデックスというホルモン剤もあります。

ホルモン療法は根治的治療ではないので、
早ければ、2~3年で効きにくくなる場合もあります。
また全身のほてり、女性化乳房、肥満などの副作用もあります。

若い人(50代、60代)には、ホルモン療法は勧められません。
摘出手術や放射線治療が勧められます。
放射線治療には、外照射と内照射、さらに粒子線治療もあります。

骨など全身に転移した前立腺がんの治療法として、
ホルモン治療と転移巣への放射線治療があります。
PSAが下がっている間は効いているので続けます。

ホルモン治療が効かなくなった人には、
エストラサイトという飲み薬があります。
骨転移の痛みを軽減する効果もあります。

骨転移に悩まされることが、在宅現場でもよくあります。
通常ならがん性疼痛として麻薬等の痛み止めが使われますが、
前立腺がんには、ゾメタという点滴がよく使われています。

ゾメタは、骨を破壊する破骨細胞の働きを抑えるお薬。
ゾメタの点滴は3~4週に1回、約15分間ですので
在宅で行うこともあります。

私の同級生も、先日、前立腺がんで手術を受けました。
最新術式での手術そもものは成功しましたが、
EDと尿失禁という後遺症に悩まされています。

【PS】
今日は寒くうっとうしい天気ですね。
陰の極である冬至が終わりました。
世間はクリスマスですが、走り回る毎日。

まったく年の瀬という感じがしませんが、
みなさまは忘年会で疲れていませんか?
私はまだあと2つ忘年会が残っています。