《0994》 私の「がん放置療法」 [未分類]

この正月に、慶応大学の近藤誠先生が最近書かれた
「がん放治療法のすすめ」という本を読みました。
面白かった。

私は、もともと近藤先生のファンです。
「患者よ、がんと闘うな」から「あなたのがんは、がんもどき」
まで、彼のほぼすべての本をナナメ読みしてきました。

その近藤理論の集大成とも言える本が、その本です。
内容は、がんを放置した患者さん150人の証言集です。
がんを放置して長生きした人の記録が、書かれています。

私も結果的に、がん放置療法となる場合が時々あります。
 ○ 本人がかたくなに治療を拒否した場合や
 ○ 高齢や認知症などの理由で、治療ができなかった場合などです。

発見された時のがんのステージによって経過が違います。
また、がんの臓器によっても経過が違います。
またその人、その人によって、がんの経過はみな違います。

がんを全く治療せずに、看取る人が年間何人か必ずいます。
ただ、近藤先生が書かれたくらい長生きした人は正直、いません。
誤解を恐れずに言えば、徐々に進行して、やはり死にます。

90歳の胃がん患者さんは、早期がんと進行がんの間くらいでした。
手術を強く勧めましたが、本人は頑固に拒否し家族も同意しました。
結局、5年くらいの経過で、在宅医療のさきで亡くなりました。

ただ何も治療をしていない分だけ綺麗な最期だな、と思いました。
手術の傷も無いし、髪の毛も抜けていません。
ちなみに、がんがあっても「自然死」は全然可能です。

もちろん、緩和医療は普通に行います。
心なしか穏やかな最期が多い気がします。
「放置療法」は、高齢者には私もお勧めです。

高齢の前立腺がんは、放置療法とは呼ばず
監視療法といいます。
PSAが2倍になるまでの時間を測ります。

2倍になるまで3年もかかるような、のんびりがんは、
治療しなくてもいいという考えが、既に認められています。
すなわち、放置療法は前立腺がんでは既に行われています。

明日から少し近藤理論について思うところを書いてみます。

【PS】
今度は新年会の季節ですね。
飲み過ぎに注意してくださいね。
お酒で損をしないでくださいね。

私の周囲ではノロウイルスは峠を越したような印象です。
一方、年末からインフルエンザが少々出てきています。
私は、点滴の抗インフル薬を使っています。

微熱程度の高齢者もいました。
今シーズンお初の検査をしたら、はたしてインフルでした。
みなさん、これからはインフルを予防してくださいね。