《0998》 迷った時は休んでもいい [未分類]

お正月期間中は、がん専門病院も、さすがにお休みです。
2週間毎にしていた抗がん剤が3週間になる方もいます。
その患者さんの顔は心なしか、嬉しそうにも見えました。

抗がん剤治療は、たいてい周期的に繰り返されます。
ワンクールと呼ばれて、それを何度か繰り返します。
もちろん、多少なりとも効果があれば、の話ですが。

効果判定は、画像診断や腫瘍マーカーで行います。
画像とは、CTやMRIやエコーでの腫瘍の大きさ。
腫瘍マーカーは、たいてい保険の関係で月1回測ります。

2回続けて2割以上下がっていたら、抗がん剤は効いています。
はっきり効いているといえなくて、横ばい、のこともあります。
いずれにせよ、無効でない限り、抗がん剤治療が続きます。

しかし人間、迷いが生じたり、治療から逃げたくなる時があります。
全身倦怠感を何度も繰り返すのがイヤだと言われる方もおられます。
そのまま続けるか中止するか、患者と共に迷うこともよくあります。

そんな方には、ちょっと休むことを提案します。
株の世界でも言うじゃないか、「休むも相場」だと。
そんな訳のわからない説明をすることもあります。

1週間休んで、小旅行に行かれる方もおられます。
元気な顔で帰ってきて、また治療を再開する場合も。
それはそれで、いいのではと思います。

抗がん剤治療は、やるか中止するか、だけではありません。
立ち止まって少し休んでから、また考え直すのも一手です。
この正月休みの元気な顔を見て、そんなことを思いました。

PS)

お正月休みが終わり、外来はにわかに忙しくなってきました。
風邪や下痢の患者さんが、終了間際に駆け込んで来られます。
駆け込み受診は、はっきり言って損、です。

必要な検査や処置ができない場合があるからです。
急病の場合は、受付終了時間の1時間位前までに、
受診されることをお勧めいたします。

昨年を上回るペースで、在宅看取りがあります。
もちろんみなさん、平穏死です。
みんなそうですから、特に平穏死とも言いませんが。